早期英語教育について

早期英語教育に関しては、賛否両論ありますね。

早期教育に肯定的な意見としては、「語学学習はできるだけ早く始めた方が良い。遅くなれば遅くなるほど不利になる」というものでしょう。これに対し、否定的な意見としては、「母国語である日本語が確立する前に英語学習を始めると、 日本語と英語がごちゃまぜになり脳が混乱をきたし、思考能力がきちんと育たなくなる。英語教育は、日本語が確立してから取り組む方がよい」というものです。

実際のところ、どうなのでしょう。

子どもが言語を覚えるのは、生きていく上で必要不可欠だからです。 生まれたときから家庭内での会話はオールイングリッシュ、あるいは、インターナショナルスクールに通っている、というように生活で使用する言語が完全に英語でない限り、日本で生活をしていて「思考能力がきちんと育たなくなる」「きちとした日本語が身につかない」という心配はしなくても大丈夫でしょう。

早期英語学習をよしとする考えを支える根拠は色々とありますが、中でも大きなものは、リスニングと発音に関するものです。

英語を聞き分ける力を育てるという観点からすると、語学教育は早期から始めた方が圧倒的に有利 です。

赤ちゃんには,生まれた国や地域に関係なく、あらゆる音声を同等に聞き分ける能力があります。 それが、1歳になる前から、いつも聞いている音に聞き取りの照準が合うようになり、耳慣れない言語を 聞きとったり聞き分けたりすることが 難しくなってきます。

発達段階によって個人差はありますが、幼児期も、聴いた音をそのまま繰り返し発声する能力が高く、英語特有の発音やイントネーション、リズムを母国語に引っ張られることなく身につけることが出来ます。そして、この能力は、10歳ごろに臨界期を迎え、減退していくと言われています。
11歳頃までには基本的な聴覚ができあがることから、それ以降は日本語で使う音と大きくかけ離れている英語の音の聴き取りが難しくなるのです。

発音、リスニング力の他、早期に英語学習をスタートさせるもうひとつの大きなメリットは、勉強という意識を持たずに、遊びの延長で楽しく英語に触れられるということです。

これまで英語を指導してきた中で、「英語は分からない、難しい、イヤだ」、と拒否反応を示してしまう生徒さんをたくさん見てきました。この拒否反応、実はなかなかやっかいなもので、一度このような状態になってしまうと、理解しようとする力にブレーキがかかってしまうのです。

そうならないようにするためにも、早期英語学習に取り組み、 幼児期に楽しく英語に触れ、その後に続く英語学習に無理なくつなげることができるといいですね。